東京都健康長寿医療センターと早稲田大学は5月12日、「日本の成人における座りすぎに伴う慢性疾患による経済的負担は年間2825億円と推計」とする研究結果を発表しました。
〇発表のポイント
- 公的な全国統計情報等をもとに、人口寄与割合(PAF)を用いた費用推計により、座りすぎ(1日8時間以上の座位行動)に関連する慢性疾患の経済的負担(直接医療費※3と間接費)を推計した
- 座りすぎに関連する慢性疾患による経済的負担は年間約2,825億円(95%信頼区間:2,589億~3,060億円)と推計された
- 内訳は、直接医療費が約2,384億円(95%信頼区間:2,153億~2,615億円)、間接費が約441億円(95%信頼区間:243億~610億円)であった
- 外来医療費では糖尿病による経済的負担が最も大きく、入院医療費では認知症による経済的負担が最も大きかった。
〇今後の課題
本研究の課題として、以下の点が挙げられます。
本研究で示した経済的負担は、直接医療費には処方薬費や介護サービス費、保険診療外の費用など、間接費には家族介護や欠勤などの社会的負担を十分に含んでいないため、控えめな推計となっており、本来は更なる経済的負担が生じる可能性があります。また、医療費は主病名ベースで集計されているため、高齢者に多い併存疾患の影響も十分には反映できていません。今後は、より妥当性の高い方法で座りすぎを評価し、より包括的な費用推計を行うとともに、座りすぎを減らす介入が慢性疾患の予防だけでなく、医療費の抑制にどの程度つながるのかを検証することが重要です。

