東京都健康長寿医療センターは5月11日、「日本の専門外来での導入はどれだけ医療費を削減しうるか ―アルツハイマー病血液検査の医療費削減効果を初試算」とする研究結果を発表しました。
○発表(研究)のポイント
- アルツハイマー病の脳内アミロイドβ (Aβ) 蓄積の確認は、技術的には血液検査でも可能になりつつあります。これにより、現在抗Aβ抗体薬 (注1) 診療で必要であるアミロイドPETや脳脊髄液検査が抱える検査費用・患者負担・地域格差などの課題の解消が期待されています。
- 今回、日本の専門外来において2カットオフ法 を用いることで、血液検査のみで一部確定判断ができるという条件のもと、医療費削減効果について検討しました。
- 1項目あたり100-200米ドル (約 15,000~30,000円)までであれば、追加のPETや脳脊髄液検査が必要となる中間域の患者数を減らすために 2 項目分の検査費用を要するとしても、なお高い医療費削減効果が得られる可能性が示唆されました。
- 今後、アルツハイマー病に対する血液検査の実用化が期待されます。
○研究の意義
本研究により、アルツハイマー病血液検査の実用化は、患者さん・医療従事者にとっての負担軽減や医療の均てん化だけでなく、医療費削減効果もある可能性が示唆されました。また、より中間域の少ない正確な評価のため2項目測定する意義についても医療費の面でも支持されました。
今後は、抗Aβ抗体薬専門外来よりも広い対象者に検査が広まった場合など、異なる条件での試算も行われていくことが期待されます。

