ニュースの要点
厚生労働省は、「令和5年度 今シーズンのインフルエンザ総合対策について」を公表した。
- はじめに
今シーズンのインフルエンザの流行に備え、「今シーズンのインフルエンザ総合対策」を取りまとめ、国や地方自治体がインフルエンザ対策に取り組むとともに、広く国民の皆様にインフルエンザに関する情報を提供し、適切な対応を呼びかけることとした。
季節性インフルエンザのウイルスには、A(H1N1)亜型、A(H3N2)亜型、2系統のB型の4つの種類がある。流行しやすい年齢層は、ウイルスの型によって多少異なるが、今年も、全ての年齢の方がインフルエンザに注意する必要がある。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でインフルエンザの流行が低調であったこと等の影響で、A(H1N1)亜型やA(H3N2)亜型の抗体の保有割合が全年齢で低下傾向にあること等から、インフルエンザの流行が起こりやすい状況にあると考えられる。実際に、令和5年2月中旬以降定点あたりの報告数が直近5年間の同時期と比較して多い状態で推移しており、例年より早く本格的な流行が生じる可能性があることに注意が必要となる。 - 感染防止について
- 「基本的な感染対策」について
COVID-19に対する基本的な感染対策(飛沫感染対策、エアロゾル感染対策、接触感染対策)は、インフルエンザ対策(飛沫感染対策、接触感染対策)としても有効。 - 予防接種について
インフルエンザワクチンの予防接種には、発症をある程度抑える効果や、重症化を予防する効果があり、特に高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられる。 - 高齢者の入所施設等における感染防止対策の推進
高齢者等のインフルエンザに罹患した場合の高危険群の方が多く入所・入居している高齢者の入所施設等においては、まずは、施設内にインフルエンザウイルスが持ち込まれないようにすることが重要となる。したがって、厚生労働省は日本医師会感染症危機管理対策室とともに、インフルエンザウイルスの高齢者の入所施設等への侵入の阻止と、侵入した場合のまん延防止を目的とした標準的な手引書「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」を各施設に普及することとする。
- 「基本的な感染対策」について
- 情報提供
- 流行状況
厚生労働省は、「今シーズンのインフルエンザ総合対策」にインフルエンザ発生状況等を掲載し、更新する。
- 流行状況
※インフルエンザQ&Aの作成・公表等
厚生労働省と国立感染症研究所感染症疫学センター、日本医師会感染症危機管理対策室は、毎年インフルエンザの流行シーズンに寄せられる質問項目の中で、頻度の高いものを整理し、これらをQ&Aにまとめ、「今シーズンのインフルエンザ総合対策」ページで公表している。