電子処方せんとは
電子処方せんとは、これまで紙で発行していた処方せんを電子化したものです。
「医療機関で患者さんが電子処方せんを選択」し、「医師・歯科医師・薬剤師が患者さんのお薬情報を参照することに対して同意」をすることで、複数の医療機関・薬局にまたがるお薬の情報を医師・歯科医師・薬剤師に共有することができるようになります。
医師・歯科医師・薬剤師は、今回処方・調剤する薬と飲み合わせの悪い薬を服用していないかなど確認できるようになり、薬剤情報にもとづいた医療を受けられるようになります。
結果として、患者さんは今まで以上に安心して薬を受け取ることが可能となります。
電子処方せんでどう変わりますか?
=医療機関・薬局で併用禁忌や重複投薬を防ぎやすくなります。
電子処方せんに対応した医療機関・薬局では、患者さんが複数の医療機関・薬局で処方・調剤を受けていたとしても、直近の処方・調剤情報まで確認することができます。(患者さんの同意がある場合に限ります。)
例えば、じんましんのために受診したA皮膚科から成分aの薬が14日分処方されている場合、5日後にアレルギー鼻炎のために受診したB耳鼻咽喉科ではその処方・調剤情報を確認し、同じ成分の薬は必要以上に処方しないようにすることができるようになります。
これまでは、別の医療機関・薬局で処方・調剤されている薬の情報は、お薬手帳や患者さんの記憶をもとに医師・歯科医師・薬剤師が確認していました。一方、電子処方せんに対応した医療機関・薬局では、お薬手帳を忘れた場合でも記憶に頼ることなく、医師・歯科医師・薬剤師に自分が服用している薬の情報を正確に伝えることができるようになります。
患者さんにとって、より安心して処方・調剤を受けることができるようになります。
そもそも処方せんとは?
処方せんとは、医師・歯科医師が患者さんの疾病等の治療に必要な薬の種類や量、服用方法などを記載したものです。
薬剤師は、処方せんに書かれた処方内容が問題ないか確認し、薬を調剤し、服薬方法や注意点などを患者さんにお伝えして薬を渡します。
処方せんで薬を受け取る流れ
処方せんは、医療機関で医師・歯科医師が記名・押印または署名し、患者さんに交付します。
その後、患者さんが調剤を受ける薬局へ処方せんを提出・受付し、薬を受け取ります。
調剤をした薬剤師が処方せんに記名・押印または署名し、調剤した薬局で処方せんの原本を一定期間保管します。
処方せんの使用期間
処方せんの使用期間は、原則、医師・歯科医師から交付された日を含めて4日以内(休日祝日含)です。
4日以内に調剤を受けたい薬局で受付をしないと処方せんは無効となり、その処方せんでは薬局で調剤を受けられなくなります。その場合、薬を受け取るためには医療機関で処方せんを再発行してもらうことが必要となります。