「医薬品販売制度実態把握調査」の結果

厚生労働省では、薬局・店舗販売業の許可を得た店舗が医薬品の販売に際し、店舗やインターネットで消費者に適切に説明を行っているかどうか等について調査(覆面調査)を行っています。令和5年度の調査は、前年度に引き続き一般用医薬品のインターネットでの販売状況や要指導医薬品の店舗での販売状況を含めた調査を実施しました。

今回の調査について、店舗での販売においては、「要指導医薬品販売における文書による情報提供の有無」等の項目で改善が見られました。「濫用等のおそれのある医薬品を複数購入しようとしたときの対応」については、令和5年4月1日より、濫用等のおそれのある医薬品の対象品目が拡大されたものの、販売時の対応が適切であった割合について低下は見られませんでした。依然として、「濫用等のおそれのある医薬品を複数購入しようとしたときの対応」をはじめとして、販売ルールを遵守していない薬局・店舗販売業が存在するため、更なる遵守率の向上に向けて販売ルールの徹底が必要としている。

また、前年度までの調査では、一般用医薬品(第一類医薬品を除く。)を購入する前に必ず調査員が専門家へ医薬品の使用方法等について相談した上で購入し、対応状況を調査しておりましたが、今回の調査では相談を行わずに一般用医薬品(第1類を除く)を購入しようとした際の店舗での薬剤師・登録販売者の対応状況についても調査が行われました。

◎ 店舗での販売に関する調査
全体的な遵守率は横ばいであったが、第一類医薬品における「文書による情報提供の有無」「情報提供された内容を理解したかどうか等の確認」や「濫用等のおそれのある医薬品を複数購入しようとしたときの対応が適切であった」等の項目で遵守率が低い結果となっている。
○ 第一類医薬品における「文書による情報提供があった」:80.3%
○ 第一類医薬品における「情報提供された内容を理解したかどうか等の確認があった」:65.9%
○ 「濫用等のおそれのある医薬品を複数購入しようとしたときの対応が適切であった」:80.9%

◎専門家への相談を実施せずに購入する際の店舗の対応状況(抜粋)
276件(薬局77件、店舗販売業199件)を対象に、一般用医薬品(第一類医薬品を除く。)を購入する前に調査員が専門家へ相談を実施せずに購入する際の店舗の対応状況は以下のとおりであった。

  1. 「薬剤師等がレジ対応した」163件(59.1%)
  2. 「会計等は薬剤師等以外が対応したが、レジで薬剤師等が情報提供した」44件(15.9%)
  3. 「質問等されずに医薬品を購入できた」62件(22.5%)
  4. 「薬剤師等の説明が必要か聞かれて不要と答えるとそのまま販売してくれた」1件(0.4%)

以下、厚生労働省より(2024年9月6日)
「医薬品販売制度実態把握調査」の結果を公表します
令和5年度医薬品販売制度実態把握調査結果について(概要)
令和5年 度医薬品販売制度実態把握調査 調査結果報告書
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