ノロウイルス感染が全国で猛威を振るっており、政府・厚生労働省は注意を呼びかけています。
年間の食中毒の患者数の約半分はノロウイルスによるものですが、うち約6割は11月から2月に発生するなど、この時期の感染性胃腸炎の集団発生例の多くはノロウイルスによると考えられます。
ノロウイルスによる食中毒は、主に、調理者を通じた食品の汚染により発生します。ノロウイルスは、感染力が強く、大規模な食中毒など集団発生を起こしやすいため、注意が必要です。
目次
ノロウイルスの症状食中毒の原因(細菌以外)
感染から発症までの時間(潜伏期間)は24時間から48時間で、主な症状は吐き気、おう吐、下痢、腹痛、37℃から38℃の発熱などです。通常、これらの症状が1日から2日続いた後、治癒します。また、感染しても発症しない人や、軽い風邪のような症状で済む人もいます。しかし、持病のある人や乳幼児、高齢者などは、脱水症状を起こしたり、症状が重くなったりするケースもあるので注意が必要です。
ノロウイルスによる食中毒は、1年を通じて発生しています。特に冬場に多く、過去5年間の月別の発生件数の推移をみると、11月から増え始め、12月から翌年1月が発生のピークとなっています。
ノロウイルスの感染経路
- 経口感染
ノロウイルスに汚染された食品を加熱不十分で食べた場合に起こります。
また、ノロウイルスに感染した人が調理することによって、その人の手から食べ物にノロウイルスが付着し、それを食べることなどによって二次的に感染します。 - 接触感染
感染者のふん便やおう吐物に直接触れて手や指にノロウイルスが付着することによって感染します。
また、接触感染は、感染者が排便後に十分手を洗わずに触れたトイレのドアノブなどを介しても起こります。 - 飛沫感染
感染者のおう吐物が床に飛散した際などに、周囲にいてノロウイルスの含まれた飛沫を吸いこむことで感染します。 - 空気感染
感染者のふん便やおう吐物が乾燥し、付着したほこりとともに空気中を漂います。これを吸いこんだりして、口の中へノロウイルスが侵入することで感染します。

ノロウイルス食中毒の予防4原則
- ノロウイルスを「持ち込まない」
- ふだんから感染しないように、丁寧な手洗いや日々の健康管理を心がける。
- 腹痛や下痢などの症状があるときは、食品を直接取り扱う作業をしない。
- ノロウイルスを「つけない」
- 食品や食器、調理器具などにノロウイルスを付けないように、調理などの作業をする前などの「手洗い」をしっかりと行いましょう。
正しい手洗いの仕方
- 食品や食器、調理器具などにノロウイルスを付けないように、調理などの作業をする前などの「手洗い」をしっかりと行いましょう。
- ノロウイルスを「やっつける」
- 食品に付着したノロウイルスを死滅させるためには、中心温度85℃から90℃、90秒以上の加熱が必要です。
- 調理器具は、洗剤などで十分に洗浄した後に、熱湯(85℃以上)で1分以上加熱するか、塩素消毒液※(塩素濃度200ppm)に浸して消毒します。
- ノロウイルスを「ひろげない」
- ノロウイルスが身近で発生したときには、ノロウイルスの感染を広げないために食器や環境などの消毒を徹底すること、また、おう吐物などの処理の際に二次感染しないように対策をすることが重要です。


