国立感染症研究所は8月23日、感染症週報2024年の第31週・第32週公表しました。
第32週(8月5日~8月11日)での定点把握となる5類感染症では、マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は1.14となり、6週連続で増加しています。
基幹定点報告疾患
マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は第27週以降増加が続いており、過去5年間の同時期の平均と比較してかなり多い。都道府県別の上位3位は大阪府(3.72)、福井県(3.50)、岐阜県(3.20)である。
国内の発生状況
マイコプラズマ肺炎は、感染症発生動向調査において全国約500カ所の基幹定点医療機関(小児科及び内科医療を提供する300床以上の病院)から週単位で報告される5類感染症の一つです。基幹定点医療機関からの報告数は、2014年~2023年での10年でみると、最も報告数が少なかった報告年は2022年(395件)で、最も報告数が多かった報告年は2016年(19,721件)でした。
新型コロナウイルス感染症流行開始後は流行状況に変化が認められ、2020年5月以降は報告数が減少しました。また、2020~2023年は、毎年起こる秋冬期の季節性の報告数増加もみられませんでした。直近の2024年は、2020~2023年と比較して報告数が増加しています。
※マイコプラズマ肺炎
「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症です。小児や若い人の肺炎の原因として、比較的多いものの一つです。例年、患者として報告されるもののうち約80%は14歳以下ですが、成人の報告もみられます。マイコプラズマ肺炎は1年を通じてみられ、秋冬に増加する傾向があります