AMR臨床リファレンスセンターは2023年8月、「未就学児の親への抗菌薬に関する調査」の結果を公表した。
調査は、2023年6⽉に、全国の20歳〜59歳の未就学児の親を対象とし、かぜ症状で医療機関を受診する場合の対処⽅法や処⽅された薬について、抗菌薬を中⼼に調査した。
昨今、話題となっている抗菌薬が効かない「薬剤耐性(AMR)」が起こる要因の⼀つに、抗菌薬の不適切な使⽤があげられている。抗菌薬を正しく使⽤するための第⼀歩として、⼦どもにのませる薬を正しく理解することが重要となる。
調査では、抗菌薬の知識に関して、「抗菌薬・抗⽣物質はウイルスをやっつける」と間違えている⼈が最も多く66.8%、次いで、抗菌薬・抗⽣物質はかぜに効く」55.8%、「抗菌薬・抗⽣物質は治ったら早くやめる⽅がよい」53.4%と続く。すべての項⽬において、半数近くの⼈が誤って認識しており、誤った認識はかぜの時に抗菌薬を求めたり、服⽤することにつながる可能性がある。ウイルスが原因となるかぜには抗菌薬は効かない。それどころか、不必要な服⽤により副作⽤が出現したり、薬剤耐性菌が出現することがある。