2012~2015年に診断されたがん5年生存率を公表【国立がん研究センター】

国立がん研究センターは11月19日、「2012~2015年に診断されたがんの5年生存率」を公表しました。

目次

発表のポイント

  • 本集計は、日本のがん患者生存率を住民ベースで計測した国全体と各都道府県の実態を反映した統計値で、がん対策の立案・評価に有用な指標である。
  • 集計対象の条件や推定方法を変更し、44地域、約7万症例(前回22地域、約59.2万症例)について、部位別、臨床進行度別、年齢階級別に、国際比較にも利用できる5 年純生存率を推定した。
  • 部位別に5年純生存率をみると、男性では前立腺94.3%から膵臓10.7%、女性では甲状腺92.7%から膵臓10.2%まで部位によって大きな差があった。
  • 本集計とあわせて、1993年からの生存率を純生存率の年次推移として改めて集計し経年変化をみると、多くの部位で生存率が向上していることがわかった。

5年純生存率

AYA・成人(15歳以上)で男女計の5年純生存率は、胃63.5%、大腸(直腸・結腸)67.2%、肝および肝内胆管33.7%、肺35.5%、女性乳房88.7%、子宮75.9%、前立腺94.3でした。国際がん生存率標準ICSSで年齢調整した国際比較用数値では、胃65.7%、大腸(直腸・結腸)69.1%、肝及び肝内胆管36.8%、肺40.1%、女性乳房87.9%、子宮70.0%、前立腺94.2%でした。ICSSを用いた年齢調整によって大きな差異があることがわかりました。
小児(15歳未満)では、全分類の5年純生存率が82.3%であり、胚細胞性腫瘍、絨毛性腫瘍、性腺腫瘍が94.5%、網膜芽腫が94.6%と高い値を示す一方、中枢神経系、その他頭蓋内、脊髄腫瘍は57.1%と低く、分類によって大きな差がみられました。

高生存率群(70から100%):前立腺、皮膚、甲状腺、乳房、喉頭
中生存率群(30から69%):大腸、腎・尿路(膀胱除く)、膀胱、胃、悪性リンパ腫、口腔・咽頭、多発性骨髄腫、食道、白血病、肝および肝内胆管、肺
低生存率群(0から29%):脳・中枢神経系、胆のう・胆管、膵臓

高生存率群(70から100%):甲状腺、皮膚、乳房、子宮、喉頭
中生存率群(30から69%):悪性リンパ腫、大腸、口腔・咽頭、胃、腎・尿路(膀胱除く)、膀胱、肺、食道、多発性骨髄腫、白血病、脳・中枢神経系、肝および肝内胆管
低生存率群(0から29%):胆のう・胆管、膵臓

2012-2015年の4年間に診断された がんの5年生存率を公表 がん対策の立案・評価に有用な指標を作成 国立がん研究センター(2025年11月19日)
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