東京都健康長寿医療センター研究所は、「運動・身体活動の“ちょい足し”のポイント:最近のガイドラインを踏まえて」を公表した。
はじめに(抜粋)
世界保健機関の「WHO身体活動・座位行動ガイドライン2020」では、6つの”重要なメッセージ”が掲げられている。このガイドラインでは、運動・身体活動が高齢期の健康に及ぼす効果として、生活習慣病(心血管系疾患、高血圧や部位別のがん、2型糖尿病)の予防、メンタルヘルス(不安やうつ症状の軽減)や認知的健康、睡眠の質の向上、肥満関連指標の改善の他、骨の健康や生活機能低下の予防につながることを明示している。また、2024年1月に、厚生労働省から「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が公表された。これらのガイドラインを踏まえて、運動・身体活動の”ちょい足し”のポイントを解説する。
1.何をどれだけやるのが目安?
WHOガイドラインでは、1)有酸素性運動、2)筋力運動、そして3)複数の要素を含む複合的運動の3つの観点から運動・身体活動の目安が示されている。
2.推奨量を満たさなくても健康効果は得られる?
WHOガイドラインの特徴は、新たに“Every Move Counts(ちょっとした身体活動にも意味がある)”がスローガンとして掲げられたことです。これは、10分未満の”ちょっとした”運動・身体活動でも、積み重ねることで健康効果が得られることが最近の研究でわかってきたことに起因する。
厚労省ガイドで示された推奨値を満たすと明確な健康効果が得られるが、たとえ推奨量を満たさなくても、健康効果は得られることがわかる。
3.今日からすぐにできる“ちょい足し“は?
ステップ1:座りっぱなしの時間を減らす/中断する ~ブレイク30(サーティ)~
テレビを見ている時等に、30分ごとに3分間くらい立ち上がる「ブレイク30(サーティ)」
ステップ2:余分に歩く ~プラス10(テン)~
これまであまり運動していなかった方は、1日10分間、余分に歩く
ステップ3:筋力運動の”ちょい足し”がよりお勧め
日常生活の中にも、”ちょっときつい”と感じるくらいの運動を、短い時間でもよいので”ちょい足し”