「五類感染症(性感染症)」と「HIV/エイズ」
性感染症の中で、五類感染症である梅毒、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症について感染症発生動向調査を実施し、報告を集計したものを公表しています。梅毒は全数調査、他の4疾患は定点調査です。
目次
梅毒
症状
- 性器や口の中に小豆から指先くらいのしこりや痛みの少ないただれができる
- 痛み、かゆみのない発疹が手のひら、足の裏、体中に広がる
- 上記の症状が消えても感染力が残っているのが特徴である
- 治療をしないまま放置していると、数年から数十年の間に心臓や血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、時には死にいたることもある
<妊娠中の梅毒感染は特に危険>
妊娠している人が梅毒に感染すると、母親だけでなく胎盤を通じて胎児にも感染し、死産や早産になったり、生まれてくるこどもの神経や骨などに異常をきたすことがある。
生まれたときに症状がなくても、遅れて症状が出ることもある。
検査
- 医師による診察と血液検査(抗体検査)
治療
- ペニシリン系などの抗菌薬(飲み薬・注射)で治す
- 医療機関を受診し、必ずセックスパートナーと一緒に治療をうける
性器クラミジア感染症
症状:男性
- おしっこをした時の軽い痛み
- 尿道からうみが出たり、かゆくなる
- 症状のある人は半分くらい
- 精巣のあたりが腫れて熱が出ることがある
- 不妊の原因になることもある
症状:女性
- 症状はほとんどない(初期のおりものや軽い下腹部の痛み程度)
- のどの違和感を起こすことがある
- 進行すると不正出血や性交した時の痛みがある
- 不妊の原因になったり、妊娠中だと早期流産になることもある
検査
- 尿、尿道や子宮頸部からの分泌物、おりものを調べる(PCR検査、等)
治療
- 抗菌薬で治す
- 医療機関を受診し、必ずセックスパートナーと一緒に治療を
淋菌感染症
症状:男性
- おしっこをした時の激しい痛み
- 尿道からやや黄色い白みがかったうみが出る
- 精巣のあたりが腫れて熱が出ることがある
症状:女性
- おりものが増える、熱が出る、下腹部の痛みが出る、のどの違和感を起こすことがあるが、症状がないこともある
- 進行すると不正出血や性交した時の痛みがみられる
- 不妊の原因になることもある
検査
- 尿、尿道や子宮頸部からの分泌物、おりものを調べる(培養検査、PCR検査、等)
治療
- 抗菌薬で治す
- 医療機関を受診し、必ずセックスパートナーと一緒に治療を
性器ヘルペスウイルス感染症
症状:男性
- 性器や肛門に痛みやかゆみのある1ミリから2ミリほどの水疱や潰瘍ができる
- 足の付け根のリンパ節に腫れや痛みがあり、尿道から分泌物が出ることがある
- 初めて感染したときには発熱を生じることもある
症状:女性
- 大陰唇や小陰唇から、膣前庭部、会陰部にかけて痛みやかゆみのある水疱や潰瘍ができる
- 足の付け根のリンパ節の腫れや痛みがあり、排尿時痛や排尿障害が起きることがある
- 初めて感染したときには発熱を生じることもある
検査
- 医師による診察
- 水ぶくれの一部をこする検査(顕微鏡での観察、抗原検査、PCR検査)
治療
- 抗ウイルス薬を飲む方法や塗る方法、また炎症を抑える薬や痛み止めなどを使う
- 1~2か月おきに再発を繰り返す場合、継続的に抗ウイルス薬を飲む場合もある
尖圭コンジローマ
症状:男性
- 亀頭や陰のう、肛門のまわりに白、薄ピンク、茶色のイボができる
- イボの数が増え鶏のとさかのようになる
- 自覚症状はほとんどない(かゆみや軽い痛みを感じる程度)
症状:女性
- 外陰部、膣、肛門のまわりに白、薄ピンク、褐色のカリフラワー様のイボができる
- イボの数が増え鶏のとさかのようになる
- 自覚症状はほとんどない(かゆみや軽い痛みを感じる程度)
検査
- 医師による診察
治療
- 薬を患部に塗る治療と外科治療でイボを取り除く方法がある
HIV/エイズ
症状
- HIVに感染してから2~6週間(急性期)には、50~90%の人に何らかの症状(発熱、リンパ節の腫れ、のどの痛み、皮疹、筋肉痛、頭痛、下痢等)がみられる
- 無症状のこともある
検査
- 血液検査
治療
- 抗HIV薬によってウイルスの増殖を抑え、エイズの発症を防ぐ
- 医療機関を受診し、必ずセックスパートナーと一緒に治療を
性感染症を知っていますか?
性感染症(STI)とは 性感染症(STI; Sexually-transmitted Infections)とは、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、梅毒及び淋菌感染…