栄養・口腔ケアのちょい足し:オーラルフレイル対策でいつまでもおいしく食べよう!

東京都健康長寿医療センターは、「栄養・口腔ケアのちょい足し:オーラルフレイル対策でいつまでもおいしく食べよう!」を公表した。

口腔機能について:抜粋

口腔は、呼吸器官と消化器官の入り口であり、食べること(噛むことや飲み込むこと)や味覚、発音といった生理的な機能だけではなく、コミュニケーションや口元の美しさといった心理、社会的な機能も担っている。

  • 特にフレイル予防に重要な機能は、食べる機能
  • 口腔機能は食事だけではなく、認知機能とも関連があり、噛む力(咀嚼能力)と脳血流などとの関連は明らかとされている。そこで、口腔機能の向上を目的としたトレーニングと歯磨きの際に鏡を見ながら磨くことを8カ月間実施してもらう介入研究を行った。その結果、口腔機能の向上や口腔の衛生状態の改善だけではなく、注意機能(目や耳などから得られる膨大な量の感覚情報を取捨選択して、脳が情報を処理する機能で、大切なことに意識を集中する働き)が向上することを明らかにした。

オーラルフレイル対策:抜粋

オーラルフレイル対策の方法として、大きく2つに分けてポイントを説明

  1. 毎日の歯磨きと定期的な歯科受診
    • 毎日の歯磨きは、正しいブラッシングで、むし歯(う蝕)や歯周病などを予防し、健康な歯を維持する
    • 定期的に歯科医院で健診を受けることで、毎日の歯磨きが正しく行えているか、むし歯や歯周病のリスクがないかチェックしてもらう
  2. 口腔機能の維持・向上を目的としたトレーニング
    1. 肩と首のストレッチ:食べる前の準備運動として、首回りの筋肉の緊張をほぐしたり、鍛えたりするのが目的
    2. 頬のトレーニング:口周りや頬の筋力アップが目的
    3. 舌のトレーニング:舌の筋力アップが目的
    4. 唾液腺マッサージ:口の中にある3種類の大きな唾液腺をマッサージで刺激をして、唾液の分泌を促すことが目的

さいごに:

バランスの良い食生活をしている方は、偏った食生活をしている方と比べて、フレイルに該当する割合が低いことが分かっている。つまり、フレイル予防には、なるべく多くの種類の食品を選び、バランスの良い食生活を送ることが重要となる。
固いものが食べにくくなったな、お茶などでむせることが増えたな、おしゃべりをしていて聞き返されることが増えたな、などの口に関する”ささいな衰え”を放置せずに、いつまでもおいしく、楽しく、様々な種類の食品を食べるために、より早期からオーラルフレイル対策に取り組むことが必要となる。

栄養・口腔ケアのちょい足し:オーラルフレイル対策でいつまでもおいしく食べよう! 東京都健康長寿医療センター(2024年2月1日)

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