メタボリックシンドローム(メタボ)とは?

メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します。単に腹囲が大きいだけでは、メタボリックシンドロームにはあてはまりません。

日本人の死因の第2位は心臓病、第4位は脳卒中です。この2つの病気は、いずれも動脈硬化が原因となって起こることが多くなっています。動脈硬化を起こしやすくする要因(危険因子)としては、高血圧・喫煙・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・肥満などがあります。これらの危険因子はそれぞれ単独でも動脈硬化を進行させますが、危険因子が重なれば、それぞれの程度が低くても動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中の危険が高まることがわかっています。

メタボリックシンドロームの診断基準

日本では、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性85cm・女性90cm以上で、かつ血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上が基準値から外れると、「メタボリックシンドローム」と診断されます。

日本では、2005年に日本内科学会などの8つの医学系の学会が合同してメタボリックシンドロームの診断基準を策定しました。下記の通り、内臓脂肪の蓄積があり、かつ血圧、血糖、血清脂質のうち2つ以上が基準値から外れている状態を指します。なお、海外では下記とは異なる基準を用いている点に注意が必要です。また、メタボリックシンドロームの診断基準と特定保健指導の基準は少し異なります。

メタボリックシンドローム改善のための基本戦略

メタボリックシンドロームは、内臓脂肪蓄積を基盤として血圧や血糖、血清脂質の異常をひきおこす病態と考えられています。したがって、その基本戦略は、内臓脂肪の蓄積の改善であり、主な対処法は食べ過ぎと運動不足を解消することとなります。

メタボリックシンドロームの診断基準を見ると、腹囲が基準値以上であることが必須条件となっています。これは、メタボリックシンドロームの元々の原因が内臓脂肪蓄積にあり、それを基盤として、血圧や血糖、血清脂質異常が起こっていると考えられるからです。内臓脂肪蓄積の指標としては、腹囲を用いています。つまり、腹囲が基準値以下になれば、血圧や血糖、血清脂質も改善する可能性が高いということです。

腹囲が大きくなってしまう最も重要な原因は、過食と運動不足です。そのため、メタボリックシンドロームの解消の基本戦略は、過食と運動不足の解消にありますが、これらはなかなか自力で改善することは困難な生活習慣でもあります。

仕事から帰ってくる時間が遅い人や、土日も仕事で忙しい人など、環境によっては運動する時間が取れない、という場合もあり得ます。また、血圧や血糖、血清脂質は、腹囲以外の要因の影響も受けますので、ただやせるだけではなく、食生活の改善や運動などを適切な方法で、並行して行うことが必要です。しかし、それを効果的に行う方法を、自分の力だけで習得することは難しいのが現実です。

そういう人は、ぜひ、保険者(加入している市町村国保や健保組合など)が提供する「特定保健指導」に参加してください。実際にメタボリックシンドロームにあてはまる人は、特定健康診査のあとで、特定保健指導の対象になり保険者から連絡がくるはずです。どのようにすればメタボリックシンドロームを解消できるかを、専門家が指導します。

BMIチェックツール
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/bmi_check.html
メタボチェック腹囲の測り方
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-07-001.html

出典:生活習慣病予防のための健康情報サイト「厚生労働省e-ヘルスネット」より

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