東京都健康長寿医療センターは、「ペット飼育と認知症発症リスク」に関する研究を発表した。
研究目的(抜粋)
これまでの研究から、犬を飼育する高齢者ではフレイルや自立喪失が発生するリスクが大幅に低いことを報告している。また、犬の飼育者のうち、運動習慣を持つ高齢者において、負の健康事象が発生するリスクが低いことが確認されている。本研究では、フレイルや自立喪失、運動習慣と強く関連する認知症に着目し、ペットの飼育が認知症(要介護認知症)の発症と関連するのかどうかを調べた。
研究の意義(抜粋)
犬の飼育者では、非飼育者に比べて認知症が発症するリスクが 40%低いことが示された。また、犬飼育者のうち、運動習慣を有する人、社会的孤立状態にない人において認知症発症リスクが低下することが明らかになった。一方で、猫の飼育者と非飼育者との間には、意味のある認知症発症リスクの差はみられなかった。日常的に犬を世話することによる飼育者への身体活動や社会参加の維持なった。飼育者自身の認知症発症リスクを低下させていることが考えられる。