フレイル予防・改善に向けて~スマートフォンアプリ「バランス日記~10食品群チェック~」

東京都健康長寿医療センター・女子栄養大学・日清オイリオグループによる共同研究で、高齢社会における重要な 健康課題の一つであるフレイルの予防・改善への貢献を目指し、高齢者への栄養指導における、スマートフォン アプリ「バランス日記~10食品群チェック~」の有用性を検証する研究の、中間結果を発表した。

概要(抜粋)

埼玉県内の自治体において、65 歳以上の地域住民から参加希望のあった約 60 名に対して、「バランス日記~10 食品群チェック~」を用いた栄養指導を 3 か月間行い、それが食品摂取多様性スコア(DVS)フレイルリスクをチェックする指標(CL15)、食品群別および栄養素等摂取量、体重、BMI、体組成(筋肉量等)に及ぼす影響を調べている。

研究成果の概要:中間報告(抜粋)

フレイルとの関連が報告されている“食品摂取多様性スコア(DVS)”においては、介入群の平均得点が大幅に上昇し(4.7点→7.6点)、フレイル予防の面で望ましい水準である DVS7点以上(一日平均7食品群以上摂取)の割合が大幅に上昇した(38.5%→73.1%)。一方、対照群にはそのような変化はみられなかった。

※食品摂取多様性スコア(DVS)
肉類、魚介類、卵類、大豆・大豆製品、牛乳、緑黄色野菜、海藻、いも類、果物類、油脂類の10食品について、「毎日食べる」を1点、それ以外を0点とし、10点満点で評価する。
DVS は、10 品目のうち 5 品目(肉類、魚介類、卵類、大豆・大豆製品、牛乳)がタンパク質源で構成され、残りの 5 品目(緑黄色野菜、海藻、いも類、果物類、油脂類)はビタミンとミネラルの供給源で構成されている。

これらのことから、以下の2点がわかった。

  • 今回の集団において、「バランス日記~10 食品群チェック~」の使用と定期的な栄養指導・健康教室を組み合わせた栄養介入は十分導入できる可能性があること。
  • 「バランス日記~10 食品群チェック~」を用いた介入プログラムは食品摂取多様性スコア(DVS)の向上に極めて有効であること。

なお、フレイル指標、BMI、体組成などに対する介入効果については、現時点では有意差が確認できていない。

詳細は以下の資料をご確認ください。
※時間の経過とともに、出典元の資料が閲覧不可能になった場合は、リンクで飛べなくなります。ご了承ください。

出典:東京都健康長寿医療センターホームページ
https://www.tmghig.jp/research/release/cms_upload/プレス資料_31.pdf
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