フレイルであっても、働くことは身体機能を維持し要介護リスクを低減する

東京都健康長寿医療センターは、フレイルであってもフルタイムで働く人は少なくなく、そのことは身体機能の維持に寄与し、新規要介護認定を抑制することを明らかにした。

研究の背景(抜粋)

高齢期の就業が心身の健康に及ぼす好影響については多数報告されてきた。しかし、認知機能、身体機能のいずれに有効なのかは明らかではなかった。また、元気な高齢者のみが進んで働き、その効果も限定されると考えられていた。そこで、高齢者の就業状況とフレイルの有無が要介護認定の主因別にみたリスクに及ぼす累積的な影響を縦断分析によって検討した。

研究成果の意義(抜粋)

フレイルでない高齢者はフルタイムであれ、パートタイムであれ、働くことが新規要介護認定全体のリスクを抑制することがわかった。一方、フレイルであっても、フルタイムで働くことにより身体機能の維持を介して新規認定を抑制できる可能性が示唆された。なお、不定期に働くだけでは介護予防効果は期待できなかった。これらの知見は、国や自治体が進める、多様な通いの場において有償の活動である「就労的活動」を取り入れることのエビデンスにもなりえる。今後は、フレイルになっても、フルタイムで働ける仕事や作業とは何かを精査し、適材適所にマッチングすることが求められる。

フレイルであっても、働くことは身体機能を維持し要介護リスクを低減することが明らかに 高齢者のフレイル・就業状況と要介護認定発生との関連:3.6 年の追跡研究 東京都健康長寿医療センター(2023年10月26日)

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