女性の飲酒と健康リスク

女性の飲酒は近年一般的になってきましたが、①血中アルコール濃度が高くなりやすい、②乳がんや胎児性アルコール症候群などの女性特有の疾患のリスクを増大させる、③早期に肝硬変やアルコール依存症になりやすいなど、特有の飲酒リスクがあります。

妊娠中の飲酒は避ける

ただ少量であっても、妊娠中の女性は飲酒を避けるべきです。妊娠中の女性が飲酒すると、生まれてくる赤ちゃんに、体重の減少、顔面などの奇形、脳の障害など、さまざまな悪影響が出てくる可能性があり、胎児性アルコール・スペクトラム障害(Fetal Alcohol Spectrum Syndrome, FASD)と言われており、予防できる精神発達遅滞の最大の原因と推測されています。また完全に断酒することが望ましい病気としては、他にアルコール依存症もあります。昔は比較的まれだった女性のアルコール依存症も、近年増加してきており、いまでは依存症全体の1~2割を占めています[5]。女性のアルコール依存症は、①短期間で依存症となり、患者年代のピークが30代と若いこと、②摂食障害やうつ、自殺未遂など様々な精神的問題を抱えていることが多いこと、③配偶者の大量飲酒や家庭内暴力など、人間関係の問題が多くみられること、④自責感が強い、などの特徴があります。そのため、通常の断酒を目的とした治療だけでなく、家族関係の調整や、うつ病などの重複障害の治療、自己効力感の向上などにも配慮した治療が必要になってきます。

出典:生活習慣病予防のための健康情報サイト「厚生労働省e-ヘルスネット」より

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